GS-R1000の直列4気筒DOHC16バルブ・エンジンは、その高出力、幅広い出力域、コンパクトなサイズ、そして先進の技術によりすでに名声を得ています。
2005年型では、排気量を999cm3としました。排気量の拡大は新しいシリンダー・ヘッドとバルブ・トレインと相まって、回転数域全体にわたってパワー、トルクそして加速力を増加させています。
オイルリングには、物理蒸着(PVD)方式を用いて真空チャンバーの中で、窒化クロム・コーティング電気メッキが新たに施されています。この新しいリング・コーティングは従来のクロム・メッキよりも硬質で滑らかであり、フリクションの低減、シリンダー・ボアのシーリング(密封性)が増加しました。シリンダーはスズキ複合電気化学材質(SCEM)と呼ばれる、レース実証済みのスズキ独自のニッケル・燐・シリコン・炭化物コーティングで電気メッキされています。
2005年モデルのシリンダー・ヘッドはより大きな吸排気ポート、直径は従来モデルの29mmから30mmに拡大されたチタン製吸気バルブ、そして直径 24mmのチタン製排気バルブを装備。2つの外側吸気ポートは拡大されただけでなく、よりコンパクトなスロットル・ボディーの使用を可能とすべく、シリンダー・ヘッドの中心に5mm近づけた位置にレイアウトされました。バルブが一段と軽くなったことにより、エンジンのレッドラインを1,000rpm高く設定することが可能となったのです。より高くなった回転数に対応するため、クロモリ鋼製・ショットピーニング加工されたコンロッドと、クランクシャフトを補強、そして2次バランサー・シャフトのカウンター・ウェイトを見直しています。
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