ユニークなアルミ合金製フレームとアルミ製スイングアームはいずれも、高負圧ダイキャスト法として知られる先進の合金生産技術を用いて製造されています。その結果は、美しいラインと表面にシワのないメイン・フレーム・スパーが織りなす、美しさと機能性を兼ね備えた、高度技術による芸術品といえましょう。

コンパクトな16.5L燃料タンクの前部、とメイン・フレーム・スパーとラジエーター・カバーは、スマートなカバーでつなげられています。スリムなフレーム・サイド・カバーは一体式のシートの下にきっちりと収められ、ライダーが停止時に地面に足を付けるのをより楽にしています。シート自体はライダーとパッセンジャーを快適にすべく設計され、また、スタイリッシュな2トーン・ビニール・カバーを有しています。ユニークなデザインの尾部はセンター・マウントのマフラーを回りこむように形成され、2連式の丸型LED尾灯を備えています。輝くクロム、深みのある高品質の塗装そして高いレベルの合せ面・仕上げによって彩られた、カタチと機能がスムーズに融合する、独特な高度技術スタイリングとなっています。

GSR600の現代的なデザインは、スマートに統合された複数の面を用いてエッジの効いた、エレガントでスポーティなイメージを作り出しています。このデザインはGSR600の全体的な性能を向上させ、オーナーに高いレベルの個人的な満足感をもたらします

GSR600の計器集合部はアナログ式タコメーター、LCDデジタル式速度計、そしてLCDデジタル・ギヤ・ポジション・インジケーター、積算計、デュアル・トリップ・メーター、燃料計、時計等を備えています。方向指示器、ニュートラル、ハイ・ビーム、オイル圧、イモビライザー・システムそして燃料噴射それぞれのインジケーター・ライトにはLEDランプを使用しています

効果的なマルチ・レフレクター式60/55WH4ハロゲン・ヘッドライトは2つのポジション・ランプを持ち、流線型の計器カバーと一体化されています。クロム・メッキされた前後方向指示器はユニークな形となっています。フロント方向指示器は燃料タンク・カバーの前端に組み込まれ、リヤ方向指示器はリヤ・フェンダーにマウントされています

GSR600エンジンは応用性能技術の模範例です。最も基本的な表現方法では、それは、ダブル・オーバーヘッド・カム(DOHC)と各気筒4バルブをもつ水冷直列4気筒4ストローク・エンジンです。67mm x 42.5mmのボア・ストロークにより排気量599.4cc、ボア/ストローク比はクラス最大の0.634:1、圧縮比は12.5:1です。それは前後、左右、上下と計測しても非常にコンパクトなエンジンで、段違い配置のトランスミッション・シャフトと3部品構成のクランクケースを有しています。 GSX-R600のものをそのまま用いたダウンドラフト形式のシリンダー・ヘッドは、27.2mm吸気バルブはシリンダー中心線から10°、22mm排気バルブはシリンダー中心線から12°と狭角なバルブ配置を持つコンパクトな燃焼室を有しています。各カムシャフトは重量低減のため中空となっており、また、カム・タイミングは中速トルク向上を図って設計されています。

スズキ・スーパー・キャスト(SSC)ピストンは、多孔率を低減し、強度を増す高圧鋳造技術を用いて製造されています。ピストンはフリクション低減と効率向上のため短いスカート部と側面の切り欠きを持ち、クロム・モリブデン鋼製コンロッドによって保持されています。各ピストンの上部圧力リングとオイル・コントロール・リングは、クロム窒化物を真空チャンバーの中で蒸着させるPVD（物理的蒸着）システムを用いてクロム窒化物電気メッキが施されています

GSR600は、2つの2胴式38mmスロットル・ボディーを持つ、もともとGSX-Rシリーズ用に開発された革新的なSDTV（スズキ・デュアル・スロットル・バルブ）燃料噴射システムを備えています。このシステムは、スロットルを通じてライダーが制御する主バルブそしてエンジン回転数、ギヤ・ポジションとスロットル・ポジションに基づいて32ビット・エンジン・コントロール・モジュール(ECM)が制御する2次バルブ、という2つのバタフライ・バルブを各スロットル・ボディーの中に有しています